「卵巣のう腫があるから手術をしたほうがいい」と言われました。
今すぐ手術しなくてはいけないのでしょうか?
管理人の手術体験と病院事情をふまえたお返事
卵巣のう腫の手術のタイミングについては以下の条件をいろいろ考慮したうえで医師が判断します。
・卵巣のう腫の大きさ(日本の治療ガイドラインで5cm以上が手術の対象)
・生理痛、突発的なお腹の激痛、月経前症候群のような不快症状、生理時の出血などの症状がどれくらいひどか
・卵巣のう腫ができているせいで癒着があるのが予測できる
・妊娠の希望の有無
・そのほか本人の持病との兼ね合い
以上の条件を総合的に考えて医師が判断するものの、その判断は医師によって違います。
基本的には治療ガイドラインで決められている5cmになったら手術をしましょうとなっていますので、医師は5cmになると「手術をしたほうがいいかもしれない」と話をします。
ですが、管理人の場合は、5cmになった時点で手術の提案をされたものの、
「様子を見たい」と食い下がったら「じゃあ様子をみましょう」という方針になり、それから半年くらいは定期検査ですごしていました。
その後、突発的な腹痛がよく起こるようになってこわくなったので手術をましたけれど、
卵巣のう腫の大きさ自体は5〜6cmを行ったり来たりする程度で、8〜10cm代という大きなサイズになったことはありません。
このように、
5cmという大きさであっても患者さんの意向をふまえ、症状が重いかどうか、妊娠を希望しているかどうかなどの条件によっては、「様子をみましょう」と考えてくれる医師もいます。
私の場合は推測もありますが、以下の条件で「様子をみる」方向性になったのだと思います。
- 卵巣のう腫が見つかっても2年くらいは5cm大にはならず、悪化するスピードが早いほうではなかった。
- 生理痛がひどかったが、生理の時期以外はとくに危険な症状はでていなかった
- もし、様子を見ている間に妊娠するようなことがあれば、妊娠で症状が軽くなる可能性があった
- 本人が手術を避けている
以上のように、卵巣のう腫が悪化するスピードが早くなくて、生理痛以外の症状が安定していたために今すぐ手術をしなくてもよいと判断されたのだと思います。
実際、管理人のところへくるメールでもすぐに手術をしようとする医師ばかりではありません。
- 7cmでも2〜3か月後の検査で5〜6cmになっていたので様子をみるようになった
- 5cmだったが、生理痛もおさまってきて他の症状が安定してきており、既婚で妊娠希望のために様子をみることになった。この方はのちに7cmくらいまで大きくなりましたが、症状が安定していることもあり1年以上手術をせずに済んでいる
- 救急車で運ばれて5cmだったが、あとで検査したら4cmになっていたので様子をみることになった
といったようなケースもよくみられます。
こういった事例をみてきて管理人が感じるのは、
「7cmくらいまでで症状が安定している」ならば様子をみるということもあるのだということです。
ただ、これは
医師の考え方や病院の方針によって大きく違います。
私が通院していた病院では、手術をごり押しされることはありませんでした。
ところが、
病院の方針で「5cmになったらとにかく手術」というふうに決めているところや、
個人のクリニックでもガイドラインに忠実にと考える医師は、患者さんの意見や体調などをあまりふまえてくれません。
たしかに、5cmサイズでも生理痛がひどい、生理時の出血がひどくて貧血だ、不快症状がひどくて生活自体がしにくいとか、持病のことを考えると手術をしないとマズイといったような条件がある場合にはすぐに手術をしたほうがいいです。
ですが、他の要素を少しも考えず患者の意見もあまり聞いていないような話し方をするのであれば、なにもその医師にこだわる必要はありません。もしかしたら、違う治療方針を示してくれる医師もいるかもしれないのに、なにも不快に感じる医師のところにずっと通うことはないのです。
そういうときは、
迷わずセカンドオピニオンとしてほかの婦人科の受診しましょう。
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保健師・看護師の知識と実際に手術をした管理人の経験上、あくまでも参考として言えることは、のう腫のサイズが7〜8cmくらいまでなら、
- 食生活を見直すこと
- 卵巣に負担をかけるほどストレスをためないこと
- シャンプーを見直すこと
この3つのことを実践していれば卵巣のサイズが小さくなりやすいので手術を回避できる可能性が高くなります。
とくにストレス関しては、
卵巣はストレスに弱いのでストレスがかかりすぎると一気にサイズが大きくなってしまうものの、ストレスのコントロールをすると2〜3カ月でサイズが7cmから5cmになるケースもあります。
私に相談されてきた中にも同じようなケースが何名もいます。
また、7cmくらいのまま小さくはならないものの、症状が安定しているために1年
近く手術をしないで済んでいる方もいます。
ですから、7〜8cmくらいまでなら様子をみて、上記の3つのことを徹底的にやる
気力があるならやってみるとよいと提案しています。
逆に、手術をしないと危険なケースは以下のようになります。
手術をしないと危険なケース
卵巣のう腫の手術をしないと危険ケースは以下の条件です。
卵巣のう腫が8〜10cmの場合
卵巣の大きさはもともとはアーモンド1個分くらいしかありません。
それが、10cmになるということはとても巨大化のしすぎです。
こうなると卵巣が破裂しやすい、卵巣を支えている茎の部分が捻ってしまうリスクがとても高くなり宇多田ヒカルさんのように緊急手術で卵巣をとる手術をすることになりかねません。
また、発見が遅れ適切な医療が早く受けられないと命を落とします。
しかも、8〜10cmにまでなってしまうと生活習慣でサイズダウンをするのはとても難しいです。
こういった危険からこのサイズでは手術をしたほうが「命が」安全です。
生理痛がひどい、生理時の出血量が多い・突発的なお腹の激痛が多いなど症状が重い
卵巣のう腫が発見されるきっかけとしてとても多いのは、突然の腹痛で救急外来にかかったというケースです。
腹痛はのう腫のサイズが大きいと起こりやすくはありますが、5cm前後のサイズでも起こります。
腹痛は、体が危険であるというサインでもあり、そのまま卵巣破裂へつながるリスクも高いことから、のう腫のサイズが5cmくらいでも手術を勧められます。
また、ほかの症状が重くて生活に支障が出る場合、出血量が多く重度の貧血をきたしやすい場合なども命を守るために手術を優先します。
癒着が疑われる場合
卵巣のう腫では、通常は出血しない卵巣に、生理を起こす子宮と同じ細胞があるために、生理の度に卵巣が出血するという現象が起きます。
このとき、出血した血液が腹膜や腸、腸と腹膜の間、子宮などに垂れて、垂れた場所で乾燥し接着剤の役割をしてしまうため、子宮と卵巣、卵巣と腸、卵巣と腹膜といったように、卵巣とお腹のどこかがくっついてしまう「癒着」が起きます。
この「癒着」が、手術をしないと
危険な「癒着」である、手術をしないと不妊につながると疑われる場合には手術を勧められます。
ただし、
癒着は内診だけではほとんど正確に把握はできません。
MRIやCTを使った画像検査である程度の予想がつくものの、見えづらい場所に癒着がある場合もあり、医師も正確な判断をできないのが現状です。
ですから、癒着に関しては「手術をしてお腹をあけてみなければどうなっているかがわからない」のです。
場合によっては、癒着が予想以上にひどいと、はがすときに臓器を傷つけて出血多量で命を落とす危険もあるために癒着をはがせないまま手術を終えることもあります。
管理人の場合は、子宮と直腸、卵巣が一つの塊となって合体していたそうで「とてもはがせないのでほとんどそのままです」と手術後に説明を受けました。
こういうケースもあり、癒着は手術をしたからといって完璧に治るわけではないということも念頭に入れておきましょう。
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